■世界測地系とは
世界測地系とは、世界で共通に利用できる位置の基準をいいます。
測量の分野では、地球上での位置を経度・緯度で表わすための基準となる座標系及び地球の形状を表わす楕円体を総
称して測地基準系といいます。
つまり、世界測地系は、世界共通となる測地基準系のことをいいます。
測量法では、世界測地系を次のように定義しています。
世界測地系とは、地球を次に掲げる要件を満たす扁平な回転楕円体であると想定して行う地理学的経緯度の測定に関
する測量の基準をいう。
一 その長半径及び扁平率が地理学的経緯度の測定に関する国際的な決定に基づき政令で定める値であること。
二 その中心が、地球の重心と一致するものであること。
三 その短軸が、地球の自転軸と一致するものであること。
これまで、各国の測地基準系が測量技術の制約等から歴史的に主に自国のみを対象として構築されたものであるのに
対し、世界測地系は世界各国で共通に利用できることを目的に構築されたものです。
世界測地系では、地球を良く近似している楕円体(準拠楕円体)で地球上の位置(経度・緯度及び平均海面からの高さ)
を表します。
また、これに代えて地球重心を原点とする3次元直交座標系を用いて表わすこともできます。
世界測地系は、VLBI、PS等の高精度な宇宙測地技術により構築維持されています。
不動産登記法規則第77条(地積測量図の内容) 近年、各国で地図の測地基準系を世界測地系へ移行する動きがあり
、陸の地図ではイギリス、オーストラリア等約50ヶ国が移行を開始していますが、ここ数年間に移行の動きが顕著になっ
ています。
隣の韓国でも移行の準備が進んでいます。
世界測地系への移行が国際的な流れとなったのはここ数年のことです。
具体的には、1996年に米国がGPSの民生利用を想定して継続的なサービスを表明した以降GPSが本格的な普及をはじ
め、1998年に国際水路機関が水路測量の基準については世界測地系に基づくべきことを定め、さらには2000年に文部
省(現文部科学省)測地学審議会が海図及び地図の測地系を世界測地系へ早期に移行すべきことなどを提言していま
す。
このため、我が国においても、このような国際的な流れに合わせて、世界測地系に移行するものです。
■測地成果2000とは?
測地成果2000は、世界測地系に基づく我が国の測地基準点(電子基準点・三角点等)成果で、従来の日本測地系に基づ
く測地基準点成果と区別するための呼称です。
測地成果2000での経度・緯度は、世界測地系であるITRF94座標系(International Terrestrial Reference Frame:国際地
球基準座標系)とGRS80(Geodetic Reference System 1980:測地基準系1980)の楕円体を使用して表します。
標高については、現在と同様に東京湾平均海面を基準に表します。
測地成果2000の水平位置の算出は、宇宙測地技術を駆使したVLBIやGPSを利用した電子基準点の観測値に基づいて
、全国の三角点について新たに計算を行って求めました。
なお、三角点の標高については、測地成果2000の構築にあたって全国一斉に更新を行うことはせず、現在と同じく大きな
変動が判明した地域について逐次更新を行います。
世界測地系は様々な用途に利用することができます。
当事務所は、GPS測量を行い筆界点座標値を世界測地系で提供します。
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