都市再生街区基本書調査とは
都市再生街区基本調査とは、都市部の地籍調査を推進するための基礎的データを整備するものです。
一筆(※)ごとの土地について所有者、地番、地目、境界及び面積を調査する地籍調査は、土地の境界を明確にし、土地取引による経済活動全体の円滑化・活性化につながり、公共事業などを円滑に進めるためにも早期に取り組むことが必要です。
しかし、調査には多くの労力と時間がかかり、特に都市部では土地の権利関係が複雑なため調査が遅れています。
(進捗率:全国45%,都市部18%(平成14年度末)) このような都市部の地籍整備の状況を改善し、 都市開発事業や公共事業の円滑化・迅速化及び安心のできる 土地取引の基盤づくりを進めていくことが都市再生を推進する上できわめて重要です。
また、平成15年6月の都市再生本部会合において、全国の都市部における地籍整備を推進するため、関係省庁が協力して推進するよう指示がありました。
これらを踏まえて、全国の都市部における地籍整備の推進を図ることを目的として、地籍調査のための基礎的調査を実施する「都市再生街区基本調査」が創設されました。
(※)「一筆」:土地の所有権等を公示するために、人為的に分けた区画のことです。
登記所では、一筆ごとに登記がなされ、土地取引の単位となっています。
調査の概要
この調査は、人口が集中している市街地(入口集中地区:DID※)を対象に3年程度かけて実施します。
調査内容:現況測量結果図と公図の重ね合わせ図を作成し、これをデータベース化するため、以下の4つの作業を行います。
Ⅰ.街区※の官民境界等に関する資料の収集と現地踏査 ~街区の状況を把握します~
・道路台帳附属図等に関する資料の収集とともに、既存の公共基準点の整備状況の把握をします。
・これらの資料等をもとに現地踏査を行い、街区点となるべき位置等を確認します。
Ⅱ.街区基準点整備※
・街区点測量 ※~現況測量結果図を作成します~
・4等三角点、公共基準点等を基準として、街区基準点を測量・整備します。
・街区基準点をもとに街区点を測量し、現況測量結果図を作成します。
Ⅲ.公図の数値化 ~登記所に備え付けの公図のうち紙ベース(アナログ)のものを数値化します~
・紙ベース(アナログ)の公図をスキャナー等で取り込み、デジタル処理ができるようにします。
Ⅳ.データベース化 ~現況測量結果図と公図を重ね合わせ、データベースシステムを構築します~
・現況測量結果図と公図を重ね合わせ、両図の整合性を確認します。
・現況測量結果図、数値化された公図等をデータベースとするシステムを構築します。
※DID:原則として入口密度が1k㎡当たり4,000入以上の基本単位区等が市区町村の境域内で互いに隣接して、それらの隣接した地域の人口が国勢調査時に5,O00人以上を有する地域
※街区:道路、鉄道若しくは軌道の線路その他の恒久的な施設又は河川、水路等によって区画された土地(本調査では、1枚の公図に含まれる、角の点が原則4点以上とれる、道路等で囲まれた範囲となります。)
※街区基準点:街区の各角の近傍に設置される点であって、街区点の座標の測量その他街区内の土地の測量の基準となるもの
※街区点 :街区の角の位置(当該角の位置に隣接する点を一部含む)を示す点
※現況測量結果図:道路台帳附図等をもとに作成した基図に、街区基準点、街区点の位置を示した図
2004.6.20