登記を専門としている土地家屋調査士の河戸です。
建物の登記をしたいけど、
何をすればいいの?
どの登記をすればいいの?
このような相談をよく受けます。
建物に必要な登記について噛み砕いてわかりやすく説明します。
どのような建物でも登記ができる建物であれば、行う登記は基本的には同じです。
登記ができる建物の要件
建物には、マイホーム、戸建て、住宅、アパート、マンション、ビル、倉庫、物置、社屋、賃貸住宅、ホテル、旅館、車庫、工場、事務所、店舗、作業所など様々な種類や呼び方があります。
どのような建物でも登記ができるのでしょうか?
法律によって登記ができる建物がどのような建物であるかが定められています。
不動産登記規則第111条
建物は、屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあるものでなければならない。
わかりやすく解説すると、登記ができる建物は大きく3つの要件を満たす必要がある書かれています。
1:外気分断性 屋根や壁、ガラスなどによって建物の中が外気と分断されていること 側面4方向のうち3方向は外気と分断していること
2:定着性 コンクリートの基礎などによって簡単には建物が動かせないように土地に定着していること
3:用途性 建物には目的がありますが、その目的を達することができる用途をもつこと
この3つの要件を満たさないと建物として登記ができません。
建物登記ができない 例1
小さな物置は基礎がコンクリートブロックを置いただけのもので、2の定着性を満たしていません。
3つの要件が満たされていないので、登記を行うことはできません。
建物登記ができない 例2
車が雨に濡れないよう屋根が支柱で支えられているカーポート
1の外気分断性が満たされていません。
建物について行う登記は主に13種類
建物に必要な登記は、主に13種類あります。
下記の表からあなたに合うケースをご確認ください。
ケース | 必要な登記手続き | |
1 | 建物を新築 | 新築の建物には、基本的には建物表題登記・所有権保存登記の2つの登記が必要になります。 その他に、ケース応じて住宅用家屋証明・住所変更登記・抵当権設定登記・建物滅失登記・地目変更登記などの手続きが追加で必要になります。 |
2 | 登記が何もされていない建物 (未登記建物) |
登記が全く何もされていない建物を登記をする場合、建物表題登記・所有権保存登記の2つの手続きを行うのが一般的です。 融資を受ける場合、さらに抵当権設定登記が必要になります。 |
3 | 建物を増改築、車庫や物置などを建築 | 建物の種類・構造・床面積が変更になった場合、主(メイン)である建物に附属となる建物が建築された場合は、建物表題変更登記が必要になります。 |
4 | 建物の種類を変更 | 建物は用途に応じて、居宅、事務所、店舗、倉庫、作業所、工場などの種類が決められ登記がされています。種類を変更した場合、建物表題変更登記が必要になります。建物の種類を変更しないと余分に固定資産税を納めることになるケースがあります。建物の種類が変わったら変更し正しくしましょう。 |
5 | 建物を壊した | 建物を壊したり、自然災害などで壊れたりした場合、建物滅失登記が必要になります。正しく登記手続きを行わない場合、固定資産税で損をする可能性があります。注意しましょう。 |
6 | 複数の建物を増改築などをして1つの建物に合体 | 複数の建物を増築等により接続させ、構造上一個の建物となった時、建物合体登記が必要になります。正しい名称はどのように登記がされているかで決まりますが、1つは「合体による建物の表題の登記及び合体前の建物について建物の表題部の登記の抹消並びに所有権保存の登記」です。 |
7 | 登記がされている複数の建物を1つの合併 | 別々に登記がされている複数の建物を1つの建物にするには建物合併登記が必要です。 |
8 | 住宅ローンなど、建物を担保を融資を受ける | 不動産(建物・土地)を担保に融資を受ける場合は、抵当権設定登記が必要です。さらにケースによっては追加設定登記が必要です。 |
9 | 住宅ローンなどの建物を担保にしてある融資を完済 | 金融機関から不動産を担保に融資を受け、完済や借り換えをする場合、抵当権抹消登記が必要です。 |
10 | 建物を購入・売却 | 不動産(建物・土地)を売買する場合、所有者を変更する所有権移転登記が必要です。 |
11 | 建物を相続 | 親などから建物を相続した場合、相続登記(相続による所有権移転登記)が必要です。 |
12 | 建物を贈与 | 親などから建物や建物の持分を贈与する場合、贈与登記(贈与による所有権移転登記)が必要です。 |
13 | 建物の所有者の氏名が結婚などで変更、住所を変更 | 建物の所有者の氏名や住所を変更するには、ケースにおじてB登記名義人氏名変更登記、登記名義人住所変更登記などの登記が必要です。 |
建物登記は、ケースに応じて、土地家屋調査士と司法書士が連携して手続きを行います。
この中から、あなたに合うケースが見つからない場合、
詳しい建物登記の説明ページがない場合で、どうすればよいのか、費用が知りたい、見積書が欲しいなどの場合は、お問合せからご連絡ください。