保存登記に関する登記の申請
所有権保存の登記概要
1.新築建物の完成! 新築の建物は、土地家屋調査士が、建物表題表示の登記を申請することにより、あらたに登記簿が作られ表題部ができます。 登記簿の表題部には建物の物理的な現況が記載され所有者が記載されます。 しかし、第三者にこの建物が自分の所有物であることを主張できる効力がありません。 このことを対抗力がないと言います。 そこで、その対抗力を得るために所有権保存の登記を行う必要があります。 所有権保存登記を行うことで登記簿の甲区欄が作成されます。 所有権保存登記が終わると売買や金融機関からの融資を受けたり、相続したりすることが可能になります。 |
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2.所有権保存登記 申請書の作成 登記の目的は「所有権保存」とし、所有者の住所、氏名を登記申請書に記入します。 所有権保存の登記では、区分建物の場合を除いて登記原因の記載が不要となります。 また所有者として申請できる者が、不動産登記法の第74条1項1号で規定されていますので、申請日の下に「法74条1項1号」と記載します。 所有権保存の登記の申請には、申請書と以下の書類を添付します。 ①申請書の写し ②住所証明書(住民票の写し) ③登録免許税軽減証明書(住宅用家屋証明書) ※建物を自分の住居として使用する場合、一定の要件を満たすと登録免許税が軽減されます。 ④登録免許税を納付します。登録免許税の額は地域により異なりますが、課税価格を算出した後、税率をかけます。 |
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所有権保存登記 申請書 雛形 サンプル
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3.申請及び交付 申請書や添付書類がそろったら、法務局に申請します。 登記官の審査を受けて問題がなければ、登記は完了し、所有者に申請書の写しが交付されます。 所有権保存の登記を行うと登記簿の甲区欄ができます。 |
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4.抵当権設定の登記 家を現金一括払いで購入する方は必要ないですが、一般的には住宅金融公庫や銀行等からお金を借りて支払いに充てます。 そのお金を借りる為には、抵当権設定の登記をする必要があります。 抵当権設定の登記がなされると乙区欄に記載されます。 Cf. 抵当権は乙区欄に明記されますが、乙区欄は甲区欄がないと作ることはできません。 そのため抵当権設定にあたり甲区欄があることが前提になります。 |
所有権保存登記の詳細
所有権保存登記とは、所有権の登記のない不動産すなわち甲区欄がないものについて、初めてされる所有権の登記です。
所有権保存登記をすることで登記簿の甲区欄ができます。
建物が新築されると、建物の所有者は1カ月以内に建物の物理的状況(どのような建物か)を示す「建物表題登記(建物表示登記)」を行れ登記簿の表題部ができます。
この時点でも所有者は誰であるかは記載されています。
その後、「誰が所有者か」を示す「所有権保存登記」がされ登記簿の甲区欄ができ記載されます。
この保存登記で所有者に対抗要件が備わり、売買や相続といった所有権の移転や抵当権の設定・抹消といった不動産の権利関係に関する登記が行われます。
所有権保存登記は、所有者の任意に任されています。
建物表題登記は1ヶ月以内に登記しないと過料10万円がありますが、所有権保存登記に関してそのような罰則はなにもありません。
ですから、登記をしなければならないものではありません。
しかし、不動産の所有権が移転したり、その不動産を担保にして金融機関から融資を受ける際に、契約の相手方は自分の権利が公に示され、また証拠となることで安心して売買や融資を行います。
これが「対抗要件を備える」ということですが、その為には所有権保存登記をしなければ、他の登記をすることはできません。
登記簿の表題部に所有者として記載されている状態では、売買や相続等何もできません。
新築の家を建てる際に金融機関から融資を受け、土地・建物に抵当権を設定するには、この所有権保存登記が絶対に不可欠です。
所有権保存登記の申請者は不動産登記法で決められています。
原則として、表題部(表示登記の内容を記載している部分)に所有者として記載された者が単独で申請します。
但し、表題部に記載された所有者が既に死亡している場合は、相続人が自分の名義で所有権保存登記を申請することができます。
住宅用家屋証明
所有権保存登記には減税措置があります。
新築又は取得したもの、すなわち注文住宅又は分譲住宅で、建ってから1年以内に所有権保存登記をするなどの一定の要件を満たせば登録免許税が1000分の4が、1000分の1.5に軽減されます。
この場合、不動産所在地の市町村役場や区役所等で「住宅用家屋証明書」を交付してもらいます。
所有権保存登記をする際に、住宅用家屋証明書を添付し、減税措置を受けます。
《証明を受ける条件》 ※自治体によって若干異なる場合があるようです。
1.個人が建築した住宅用家屋で、新築後1年以内の住宅用家屋
2.その家屋を新築した個人が居住の用に供すること
3.その家屋の延床面積が50㎡以上のもの
4.店舗等を含む併用住宅の場合、居宅部分が建物全体の90%を超える家屋
5.区分建物の場合は、耐火又は準耐火構造
《提出書類(コピーも可)》
1.家屋の登記事項証明書又は表示登記済証
2.建築確認通知書
3.現在の住民票の写し(ただし、新築家屋への転居手続きを済ませていないときは、住民票の写 しに加えて、自己が居住する旨の申立書及び添付書類が必要) 住宅用家屋証明書は、市町村役場や区役所等で所定の申請書に記入し、必要書類と手数料を提出すれば簡単に取得することができます。
表題部を作成する申請は土地家屋調査士が行います。
甲区欄、及び乙区欄を作成する申請は司法書士が行います。