■はじめに
2003年冬から2004年夏にかけて「ネットワーク型RTK-GPS」の精度を検証を行いました。
日本国内の測量機器メーカー及び販売店等に協力していただき無事計測精度の検証を行うことができました。
測量機器の手配や観測をしていただきありがとうございました。
測量機器は、トプコン、ニコントリンブル、ライカ、ソキア、NGS(日本GPSソリューションズ)、ペンタックス等(順不動)のGPS測量機器、トータルステーション(TS)を使用しました。
データ配信はジェノバ、日本GPSデータサービス、三菱電機(PAS)の3社のデータ配信を使用しました。
その他にアイサン・テクノロジーの「平成検地」という座標変換ソフトを用いています。
■目的
この検証は国土地理院より7月1日に公開された、「ネットワーク型RTK-GPS公共測量作業マニュアル」で用いられる「ネットワーク型RTK-GPS」について、様々な測量器機とデータ配信やソフトの組合せによりどの組合せが最も良いのかを検証したものです。
■概要
「ネットワーク型RTK-GPS」は2つの方式に分かれます。
ひとつはVRS方式、もうひとつはFKP方式です。
現在日本では、全国規模でデータ配信を行っている会社は先に述べた「ジェノバ」、「日本GPSデータサービス」、「三菱電機」の3社ですが、「ジェノバ」と「日本GPSデータサービス」の2社はVRS方式です。
「三菱電機」はFKP方式を採用しています。
また、「ジェノバ」と「日本GPSデータサービス」は同じVRS方式ですが、異なった方式によりデータ配信を行っています。
■精度検証方法
観測は、DOPの良い時間帯を選び、全て同じ現場で行っています。
同じ時間にできれば一番良いのですが、物理的に不可能であるため、できる限り同じ条件で観測を行いました。
観測点はT1-T4、F1-F4の計8点で、T1-T4、F1-F4で各々閉合トラバース測量ができるように視通がある位置を選点し、8点全てについて上空視界の良い場所を選点しました。
GPS測量機器により各点を10エポックづつ若しくはそれ以上のエポック数を計測し、各点の計測時間をづらして各々最低3回づづ計測を行いました。
アイサンテクノロジーの平成検地を用いる為に、トータルステーションを用い閉合トラバース測量を行いました。
トラバー点を4点使用し四角形T1、T2、T3、T4と四角形F1、F2、F3、F4の2つの四角形において閉合トラバース測量を行いました。
なお対回観測を行っています。
■最後に
なお、GPS器機やデータ配信は常に進歩しています。
この結果が常に正しいとは限りません。いろいろな用途の参考データとして使用されれば幸いです。
2004年8月13日
※データはデータ配信の方式と使用した測量機器メーカーをそれぞれ表しています。
α、β、γはそれぞれデータ配信の方式です。
A、B、C、D、Eは測量機器メーカーを表しています。
その他にアイサンテクノロジー社の平成検地をしようするにはトータルステーションで観測し閉合トラバースより得た座標値が必要になります。
その為TS(B社)、TS(C社)とありますが、B社、C社のトータルステーションを用いて観測して得た座標を用いていることを表しています。
なお、メールにて連絡をいただければ、A-E、α、β、γ名を返信致します。