建物(家屋)の固定資産税は1月1日の建物の状況で決まる
1.通知
建物を建てたことにより、地方税である固定資産税が所有者に課税されます。
市区町村の税務課の職員は新築や増築等の建物を航空写真や、日々街の中で変化がないかを注意して見ています
。
そして発見したら建物を調査して課税します。
新築建物の登記をする際、市区町村の税務課に住宅用家屋証明申請書を用い申請を行い、住宅用家屋証明を得るこ
とにより、保存登記の登録免許税の軽減措置を受けることができます。
※軽減措置を希望する場合は、建物を建ててから1年以内に申請しなければなりません。
住宅用家屋証明を得る際に、必ずといっていいほど、建築確認通知書、工事見積明細書のコピーをしていいですかと
聞いてきます。
一般的にこの時にコピーを許可する代理人がほとんどです。
このコピーが後日、単位当たり再建築費評点数の根拠の大部分となります。
そして、「家屋調査について」の文書の通知があり、所有者と税務課とで家屋調査について日時の打ち合わせをします。
2.調査
調査には、税務課の職員が、家屋単位当り再建築費評点数算出票を使用し、その建物を再建した場合にどれだけの
お金がかかるかを調査します。
調査範囲は、畳・大便器・クロス・屋根・襖・出窓・基礎・杭・断熱材・床の間・ガラス・浴槽等の材質や大きさ、数量のあ
りとあらゆるものに至り、点数を算出し「単位当り再建築費評点数」を求めます。
なお、大手ハウスメーカーの場合は別途家屋単位当り再建築費評点数算出票が用意されています。
メーカーと商品名によって等級が決まります。
cf.「単位当り再建築費評点数」は建築確認通知書、工事見積明細書のコピーが根拠になっていることが理解できるか
と思います。
これらの書類が無いと建物の全てを計測し調べないと算出できません。
ちなみに、建築確認通知書や工事見積明細書のコピー等は、強制ではありません。
3.課税標準額の決定
家屋調査で算出された単位当り再建築費評点数もベースに、課税標準額が決定します。
決定された課税標準額に不服がある場合は、再調査の依頼をすることができます。
再調査の結果、両者の課税標準額の低い方を採用します。
さらに、審査請求を行うことができます。
4.納税通知
課税標準額をもとに固定資産税を算出後課税されることとなり、建物の所有者は納税します。
そして所有者は、固定資産税、都市計画税を毎年4月に一括もしくは、分割して支払います。
建物の固定資産税は一発勝負
家を建てると、当然のように自治体の税務課が家を調査して課税します。
その根拠についてですが、登記と密接に関係しているのをご存知ですか?
建物表題登記、建物表題変更登記や所有権移転登記により、法務局から自治体の税務課に登記に使われた資料が送られます。
そうなんです。
大部分の建物は、登記を根拠にして課税の手続きを行っているのです。
以前、区役所と交渉して家の前の路線価を下げました。
このことによって多少ですが土地の固定資産税が安くなりました。
土地については大幅に課税額を下げることは難しいですが、建物については可能なのかもしれません。
構造が軽量鉄骨造瓦ぶき2階建て床面積135㎡の建物のどこにでもある一戸建ての家ですが、
固定資産税は1年間で約20万円です。
新築から何年間かは減免がありますが、建物の固定資産税は一度決まってしまうと毎年多額な税金を納めることになります。
若干下がりはしますが、基本的に毎年収めなければなりません。
土地のように3年に1回の評価替えの時期はありません。
一発勝負なのです。
自治体の税務課はなぜ固定資産税を計算できるのでしょうか?
答えは簡単です。
土地家屋調査士や司法書士が確認申請書に添付されている設計図を税務課にためらいもなく提出してしまうからです。
不動産登記の本人申請においてはそれを拒むことが可能です。
税務課がコピーさせて下さいとお願いしてきたら嫌と言えば良いからです。
弊所が登記依頼を受ける際は、必ず拒むことにしています。
それは、大事なお客様の個人情報を勝手にお客様の家の資料を税務課に提出できないからです。
■固定資産税の算出方法について
固定資産税の算出方法
これらについては、建物表題登記のご依頼者様にアドバイスを行っています。
知っている知らないの差は大きいです。
但し必ず税金が安くなるとは限りません。